眼瞼疾患

眼瞼痙攣

眼瞼痙攣顔面の神経が何らかの原因で、隣り合っている血管に刺激され、自分の意志に関係なく、目の周りの筋肉が勝手に痙攣する病気です。ドライアイや疲れなどにより、まぶたや目の周りがピクピクすることはよくありますが、これがいつまでも治らなかったり、痙攣する範囲が広がってきたら治療を受けることをおすすめします。眼瞼痙攣は女性がなりやすい病気で、男性に比べ約2倍の発症率だと言われています。50歳代以上の年代の方が多いのですが、まれに20~30歳で生じる場合もあります。

眼瞼痙攣の治療

痙攣を抑えるために、ボトックス注射の治療を行います。ボトックスは、神経の伝達を邪魔し筋肉を麻痺させるボツリヌス毒素を注射する治療法です。注射の効果は3~4ヶ月程度持続します。効果が切れて痙攣が治まっていればそれで終了ですが、痙攣が再発した場合には再度注射を行います。

眼瞼下垂

眼瞼下垂

眼瞼挙筋(がんけんきょきん)というまぶたを開ける筋肉が弱く、まぶたが下がって瞳孔にかぶさっている状態を眼瞼下垂と呼びます。視界が狭くなり、視力が落ち日常生活に不便が生じます。肩こり、頭痛、めまい等の原因になる可能性があります。この場合は手術による治療が必要です。
先天性、加齢性の眼瞼下垂のほか、コンタクトレンズの使用や外傷などが原因になっている場合があります。

眼瞼下垂の原因

眼瞼下垂は、先天性と後天性に分けられます。

先天性眼瞼下垂

まぶたを上げ下げする筋肉である眼瞼挙筋やそれを動かす神経の発達異常によって起こると考えられており、約80%が片側にだけ起こります。たいていの場合、視機能に障害を及ぼすことはありませんが、まれに弱視や斜視の原因になる場合もあるため、まぶたが重い感じがあったら専門医で診断を受けましょう。

後天性眼瞼下垂

もともとは普通にまぶたが開いていた方のまぶたが下がってくるもので、少しずつ進行するケースもあれば、急激に下がってくる場合もあります。まぶたを上げ下げする筋肉である上眼瞼挙筋末端部の膜である腱膜(けんまく)が伸びて、少しずつ下がってくる腱膜性眼瞼下垂がほとんどです。加齢によって目が細くなってきたことから生じる場合が多いのですが、コンタクトレンズの使用や目の手術などの影響で起こる場合もあります。

 

眼瞼下垂の手術

上眼瞼挙筋と瞼板筋を同時に縫い縮める方法の他、筋力に問題がなければ外れている挙筋腱膜を縫い付けるなどの治療を行います。どちらも、炭酸ガスレーザーで皮膚を切開して行いますが、これはメスで行う手術に比べ、出血と皮膚への負担が少ないため、術後の腫れを軽減でき、治りも早くなります。

眼瞼内反症(逆さまつ毛)

まつ毛の一部が角膜や結膜に当たって、傷付く状態です。異物感や視力障害といった症状の他、感染症へのリスクも上がります。生え方に問題があるまつ毛を抜くことで症状は改善しますが、再び同じ場所にまつ毛が生えてくると症状が現れます。まぶたを支える筋肉がゆるむことでまつ毛の並び方が不ぞろいになり、眼瞼内反症になることがよくあります。根治のためには手術が必要になります。

眼瞼内反症の手術

まつ毛下方の皮膚を切開し、下眼瞼牽引筋腱膜を瞼板に縫い付け、眼輪筋を短縮してから縫合します。垂直・水平の両方向で弛緩を改善できますので、再発がほとんどなく、効果も高い方法です。炭酸ガスレーザーで皮膚を切開して行いますが、これはメスで行う手術に比べ、出血と皮膚への負担が少ないため、術後の腫れを軽減でき、治りも早くなります。

流涙症(涙目)

eyelid_img03一般的に「涙目」と呼ばれている症状は、医学的に「流涙症」と呼ばれています。いつも涙があふれて流れてくる、涙の量が多くて視界がぼやける、メガネのレンズが曇るといった症状が流涙症の症状です。

原因

涙は目を潤した後、最終的に鼻へ抜けていく涙道という通路から排出されます。その涙道のどこかが細くなっていたり、詰まったりするのが流涙症の原因です。他にも、結膜炎や角膜炎、逆さまつ毛などで涙の分泌量自体が増えていたり、ドライアイで風などの刺激を強く受けて涙が出やすい状態だったり、ゆるんだ結膜が堤防のように働いて涙を保持できなくなっていることなどが考えられます。

治療が必要な涙道疾患

涙道が詰まっている場合、絶えず目が潤んで見えにくくなるほか、目のふちがただれることがあります。

特に注意したいのは、涙嚢より鼻に近い場所で閉塞が起こっている場合です。涙嚢内に涙が停滞して濃縮され、粘液や膿のような目やにが出て、目頭の内側を押さえた時に涙嚢から内容物が逆流してくる慢性涙嚢炎という状態になります。この状態で涙嚢内容に細菌が感染すると、目と鼻の間が大きく腫れ、痛みが出る場合があります。感染により腫れや痛みが出てきた状態は、急性涙嚢炎・涙嚢周囲炎と呼ばれます。

赤ちゃんは、鼻涙管が粘膜で覆われて開通していない先天性鼻涙管閉塞がよく見られます。閉塞により涙嚢内に粘液や膿が貯まり、目やにとなって出てくる症状があると新生児涙嚢炎となります。

涙道疾患(流涙症)の治療

チューブで涙道を拡げる手術や、人工的に涙道のバイパスを作る手術による治療が行われます。

シリコンチューブ挿入術

局所麻酔を行って、特殊な金属の棒を通して涙道を開かせ、その後、涙道にシリコンチューブを挿入して涙道を拡げます。所要時間は20分程度です。
手術後、数ヶ月経ってからチューブを外します。再閉塞の可能性があります。

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